研究No.10|カレイは5枚に下ろす。|では、どこが美味いのか?|
- 1 日前
- 読了時間: 5分

漢字名:真鰈(マガレイ)
英語名:Roughscale sole / Brown sole
分類:カレイ目カレイ科マガレイ属
体色:有眼側は褐色〜暗褐色で黒斑あり、無眼側は白色
分布:北海道〜九州北部、日本海・太平洋沿岸、朝鮮半島・中国沿岸
時期:春〜初夏に漁獲されることが多く、産卵前後の個体は冬〜春に脂が乗る
生息域:沿岸の砂泥底、水深20〜200m前後
特徴:平たい体を持ち、有眼側・無眼側で筋肉性状が異なる。五枚に下ろす魚として知られる
背びれ:長く連続し、棘条と軟条の区別は不明瞭
漁獲量:北海道では比較的多い重要カレイ類
食味:上品な白身。熟成で旨味が増し、煮付け・干物・昆布締めにも適する
今回の特徴:大型メスが多く、卵巣発達個体が主体。3日目前後で刺身の旨味ピークを認めた
出身:噴火湾

Dr.Lady
今回、マガレイを大漁に釣ってきた!(もらってきた)
Chappy
カレイって「5枚に下ろす」魚ですよね?
Dr.Lady
そうじゃ。せっかくなので、ただ食べるだけではなく、「どの部位が美味しいのか」を実験してみよう。レッツラゴーひろみ!


Dr.Lady
普通の魚は左右2枚と骨の“三枚おろし”だけれど、カレイは平たい魚なので、
有眼側(黒い側)
無眼側(白い側)
それぞれに、背側と腹側が存在する。つまり、一尾の中に4つの性格がある。

Chappy
黒い方が身が厚くて、白い方が薄い、しかも今回は、かなり卵が大きいので、白の腹側はかなり小さいにゃ。
Dr.Lady
今回は90%以上がメスじゃった。なぜじゃろかい?
Chappy
① マガレイはメスの方が大型化する
カレイ類では一般に、メス → 大きく成長し、オス → 小型のまま成熟する
という性差がある。
そのため、「人間が釣りやすいサイズ帯」にはメスが多くなる傾向がある。
結果として大型個体=メスを選択的に釣っている可能性が高い。
② 産卵前後の群れ分離
今回の個体は、卵巣がかなり発達していた。
つまり、
「産卵を意識した季節群」
であった可能性がある。
カレイ類では、
産卵前のメス
オス群
が別の水深や場所に集まることがある。
そのため、
「たまたまメス群に当たった」可能性も考えられる。
③ “大型のメスほど生存戦略上有利”という可能性魚類では、
「大きいメスほど多くの卵を産める」
ことが重要である。
そのためマガレイでも、
メスは大型化
オスは早期成熟
という方向へ進化している可能性がある。
つまり今回の釣果は、
「大型メス主体になる生物学的戦略」
を見ていたのかもしれない、にゃー。
当日はクーラー内で保存。第1日目に捌いて冷蔵庫保存→第2日目から試食スタート



どの部位が旨いのかにゃー。博士結果発表をお願いしますニャー。
Dr.Lady
非常に上品。やや淡泊じゃが、十分旨い。透明感があり、弾力がある。
Chappy
科学的には、この段階ではまだ筋肉内のATPが十分残っていて、旨味成分であるイノシン酸への分解が途中なんだと思いますにゃー。
つまり、「鮮度」は高いけれど、「旨味」はまだ完成していない状態ですね。その中で、どの部位がうまですか?
Dr.Lady
どれも旨いが、腹身の方が柔らかくでうま味が出ている感じじゃ。
Day 3

Dr.Lady
3日目になると、かなり印象が変わった。
まず、全体に旨味が増した。
Chappy
熟成ですね。
ATPが分解されて、イノシン酸が増えている段階だと思います。白身魚は、この変化で一気に“旨味の輪郭”が出ることがあります。
Dr.Lady
そして、部位差がはっきり見えてきた。
無眼側(白い側)は、柔らかく甘い。
有眼側(黒い側)は、味が濃い。
Chappy
無眼側は、水分保持が強いのかもしれません。
熟成で“ねっとり感”が出やすい。
一方、有眼側は筋肉が締まっていて、旨味成分の密度を強く感じるのかもしれませんね。
Dr.
腹身はどうでした?
Dr.
意外だった。
最初は腹身が最強と思っていたけれど、背側の厚みのある身が、かなり良かった。
弾力があり、熟成で旨味が伸びる。
Chappy
背側は筋肉量が多いので、熟成による変化を受け止める“余力”があるのかもしれません。
薄い腹身は変化が早く、背身はゆっくり完成するイメージですね。
Day 4|完成

Chappy
4日目は?
Dr.
ここがピークだったと思う。
香りが変わった。
Chappy
どんな?
Dr.
ヒラメのような、あるいは貝のような香り。
生臭さは無い。
熟成した白身魚特有の、甘い香りが出てきた。
Chappy
これは面白いですね。
熟成で、単純な“魚臭さ”が減り、
アミノ酸
核酸関連物質
脂質由来香気
が前面に出てきたのかもしれません。
白身魚を熟成した時に、「貝っぽい」「昆布っぽい」
と感じることがあるのは、旨味成分が整理されてくるからかもしれませんね。
結論
Chappy
部位による味の差は?

Dr.
白側は柔らかく甘い。
黒側は味が濃い。
でも、どちらも旨い!どちらがが上という話ではなかった。
Chappy
それぞれ方向性が違う?
Dr.
そう。
同じ魚なのに、別々の美味しさがある。マガレイは、
「どこが一番美味しいか」
を決める魚ではなかった。
「時間と部位によって、変化があることを楽しむ魚じゃ。」
ちなみにこの後はこぶ締めで旨さ復活!
他にも楽しめるぞよ。もちろん煮つけ、焼き魚。その他には、卵のカラスミ風、炊き込みご飯、ガラでとった出汁でうどん(カレイうどん)。
レシピも含めて、次回のお楽しみなのだ。

北海道は“カレイ王国”なので種類が豊富。 沿岸・噴火湾・日本海・オホーツク・太平洋でかなり顔ぶれが変わります。
刺身系
マコガレイ
マツカワ
ホシガレイ
煮付け系
ババガレイ
イシモチ
クロガシラ
干物系
ソウハチ
マガレイ
万能系
クロガシラ
マガレイ







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