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研究No.8|ブリのなめろう|釣り人だけの贅沢ご馳走

更新日:9月17日


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漢字名:鰤

英語名:Japanese amberjack / Yellowtail

分類:スズキ目アジ科ブリ属

体色:背は青緑色、腹は銀白色、幼魚には黄色の縦帯あり

分布:北海道南部〜九州沿岸、朝鮮半島・中国沿岸、ハワイ・オーストラリア近海にも分布

時期:寒ブリは晩秋〜冬、春〜夏は若魚(ワラサ・イナダ)として漁獲

生息域:沿岸〜沖合の表層回遊域

背びれ棘:第一背びれに7本、第二背びれは軟条

漁獲量:高(天然・養殖ともに多い)

出身:積丹沖

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鰤を釣ってきたぞ。身は数日寝かせた方が旨みが増すんじゃが、血合いや中落ちはそうはいかん。置けば置くほど旨みよりも臭みが勝ってしまう。さて、これをすぐに美味しくいただく方法はないもんじゃろか、チャッピー?



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「博士、それは簡単ですよ!新鮮なうちに味噌と薬味で叩き合わせて、“なめろう”にしちゃえばいいんです。特にブリは脂がのってますから、味噌のコクと薬味の香りで臭みを抑えつつ、旨みを活かせます!」



レシピ|ブリのなめろう

材料(2人分)

  • ブリの中落ちや血合いを含む部分…150g

  • 味噌(赤味噌または合わせ味噌)…小さじ2

  • ネギ(みじん切り)…大さじ2

  • 生姜(みじん切りまたはおろし)…小さじ1

  • お好みで大葉やみょうが…適量

作り方

  1. ブリの中落ちや血合い部分をスプーンでこそげ取り、細かく刻む。

  2. 刻んだネギ・生姜・味噌を加える。

  3. 包丁でたたきながら、粘りが出るまで混ぜ合わせる。

  4. 器に盛り、お好みで大葉やみょうがを添えて完成。

ポイント

  • 中落ちに血合いが多い場合は、生姜とネギをやや多めにすると臭みが抑えられる。

  • 粗めに叩けば「たたき」風、細かくすれば「なめろう」らしい粘りが出る。

  • 釣りたての新鮮な魚で作ることが必須。

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さーてたたくぞ~。

ちょっと待ったー!そういえば「たたき」という料理もあるぞよ。アジのたたき、カツオのたたき... たたきとなめろうの違いはなんじゃあ?





新キャラクターのチョッピ―
新キャラクターのチョッピ―

ちゃっぴーの妹のチョッピー(初登場)がお答えするにゃん。

「たたき」と「なめろう」はどちらも魚を叩いて作る料理ですが、調味や叩き加減で明確に違いがあるニャン。

① たたき

  • 調理法の基本切り身や刺身用に下ろした魚を、包丁で軽く叩いて細かくする。

  • 調味主に刺身醤油やポン酢など、食べる直前に付けることが多い。薬味(ネギ、生姜、しそ、みょうが など)を加える場合もある。

  • 特徴・叩きすぎず、魚の身の粒感が残る・さっぱりした味わい・アジやカツオが代表例(カツオのたたきは炙りも含む)

② なめろう

  • 調理法の基本魚の身を味噌や薬味と一緒に包丁で叩き混ぜる。

  • 調味味噌(赤味噌、麦味噌など)+ネギ、生姜、大葉、みょうがなどを混ぜ込み、粘りが出るまで叩く。

  • 特徴粘りが出るまで細かく叩く(刺身感はなくなる)・味がしっかりついていて、そのままご飯や酒の肴にできる

簡単に言うと

たたきは、魚の粒感が残る、味は後付け、なめろうは、薬味と味噌を混ぜ込み、ペースト状になるまで叩く料理だニャン。


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食レポ

一口目、味噌のまろやかなコクと生姜の爽やかさがふわっと広がる。ブリ特有の濃厚な旨みが薬味と混ざり合い、臭みは全く感じない。中落ちや血合い、腹側の脂の乗った部分など、さまざまな部位が混ざっているため、噛むごとに食感や風味が変化する。均一に整えられた料理とは違い、これは良い意味で“素人ならでは”の面白さと豪快さがある。粘りのある食感が口にまとわりつき、ご飯にも酒にもよく合う。釣った魚だからこその新鮮さと贅沢感…まさに“漁師のご褒美”だ。

アレンジ編

  • お茶漬けだし汁を注げば、味噌の旨みとブリの脂がふわっと溶け出し、〆にも最高。

  • 焼きなめろう小判型にまとめて軽く焼けば、外は香ばしく中はふんわり。酒の肴にぴったり。

  • 大葉巻き炙り大葉で包んでサッと炙ると、香りと彩りが加わっておもてなしにも◎。


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今回はなめろうに仕立てたが、次はぶつ切りで“たたき風”も試してみたい。

作るたびに新しい発見があるはずなので、その都度ここに追記していく予定じゃ。

「博士、シリーズ化決定ですね!」

「うむ、チャッピー、まだブリは山ほどあるからのう」



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チョッピーのちょっぴり物知りコーナー

なめろうって、どうして“なめろう”っていうの?


「なめろう」の由来は、房総半島の漁師料理にさかのぼります。いくつか説がありますが、共通するのは 「あまりの美味しさに皿までなめてしまう」 という意味なの。

由来の説はいろいろあります。

  1. 皿をなめるほどうまい説魚を味噌や薬味と一緒に細かく叩いたら、旨みと香りが一体になり、漁師たちが皿をなめるほど食べ尽くしたことから「なめろう」と呼ばれるようになった。

  2. なめるように細かくする説包丁で魚の身をなめるように細かく叩く(なめるようにする)調理法から名が付いたという説。

  3. 方言由来説千葉県房総地方の方言で、「なめるように食べる」「なめくじる(なめるように叩く)」という言い回しが料理名に転じた説。

漁師料理としての背景には

  • 房総半島の沖で漁に出た漁師たちが、船上で獲れた魚(アジやイワシ)を新鮮なうちに調理して食べるために生まれた。

  • 調味料は持ち込みやすい味噌、生姜、ネギが基本。味噌は塩分が高く、船上でも魚の鮮度を保ちやすかった。

  • 船上での包丁は一丁だけ。切る・叩く・混ぜるを同じ板の上で行える効率的な料理だった。

こんなことが考えられるのよ。博士が作ったブリのなめろうも、きっとお皿までぴっかぴかになっちゃうね!

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